人文科学の一流的研究を目指す博士論文叢書(8) 日本語人称詞の社会言語学的研究

 本書は,西欧言語とは異なる日本語の人称表現の特徴にもとづき,社会言語学的側面から日本語人称詞を考察した一冊である。考察の範囲は,韓国語人称詞との対照,人称詞の周辺形式としての複数形接尾辞にまで及ぶ。小説作品の分析や意識調査などの研究手法を取り入れ,数値による裏づけを研究の基本とすることで,計量的研究としての意義が認められる。本書が日本語人称詞の全体象の確立に一助できることを期待する。


序章 本研究の目的と先行研究

第一部 日本語人称詞の通時的変遷と共時的相違

第二部 韓国語との対照から見た日本語人称詞

第三部 人称詞の周辺形式としての複数形接尾辞

終章 結論と今後の課題

著者紹介

鄭 惠先(ちょん・へそん、JUNG, Hyeseon)

大阪府立大学大学院人間文化学研究科修了。博士(学術)。現在、北海道大学高等教育推進機構・教授。研究分野は、社会言語学的観点からの日韓対照研究。人称詞のほかに、役割語の対照研究や、近年はメディア言語研究に興味を持っている。論文に「役割語を主題とした日韓翻訳の実践―課題遂行型の翻訳活動を通しての気づきとスキル向上―」(金水敏編著『役割語の展開』くろしお出版2011)、「日韓対照役割語研究―その可能性を探る―」(金水敏編著『役割語の地平』くろしお出版2007)、「方言意識の日韓対照―役割語翻訳の観点から―」(『日本語科学』第23号、国立国語研究所2008)、「日本語と韓国語の複数形接尾辞の使用範囲―文学作品と意識調査の分析結果から―」(『日本語科学』第17号、国立国語研究所2005)などがある。jung@oia.hokudai.ac.jp

■ 2020年10月 初版第1刷発行 ■ A5判・200P

■ ISBN:978-4-905013-64-8 C0087 ■ 2,000円+税



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