『一衣帯水を行き来する人・物の明暗』(1) 中日近代文学における留学生表象 ―二〇世紀前半期の中国人の日本留学を中心に―
ISBN: ISBN:978-4-905013-54-9 C0087
書 名: 『一衣帯水を行き来する人・物の明暗』(1)
中日近代文学における留学生表象
―二〇世紀前半期の中国人の日本留学を中心に―
著 者: 林麗婷(りん れいてい)著
発 行: 2019年8月 初版第1刷発行
価 格: 2,000円+税
内 容:
中国語・日本語の小説あわせて6本を対象に、明治末期から第二次世界大戦期までの中日近代文学における留学生表象を考察した。中国近代文学史において注目されてこなかった作家(南武野蛮、張資平、崔万秋など)の作品を取り上げ、作家の再評価と中国近代文学史の再考を試みた。また、佐藤春夫や、太宰治、大城立裕の描く留学生像を分析し、作家の中国との向き合いかたを究明した。
小説の分析を通して、大中華意識を温存する者、中華民国政府と齟齬をきたす者、愛国と欲望との間を行き来する者など、ナショナリズムで一括りにできない留学生像を浮き彫りにした。ナショナリズムの枠組みで捉えなれがちの中国人日本留学生、比較文学・文化の視点で再考察した力作。
目 次:
序 章 中日近代文学における留学生
第一章 賈宝玉、日本へ行く
第二章 余計者としての留日学生
第三章 「摩登哥児」(モダンガール)としての中国人女子留学生
第四章 想像としての「アジアの子」
第五章 「親和」と留学生
第六章 留学という幻(まぼろし)
著者紹介:
林麗婷(りん れいてい)
中国福建省出身。
二〇一七年、同志社大学大学院文学研究科博士後期課程修了。
博士(国文学)。現在、同志社大学文学研究科外国人留学生助手。
主要著作・論文
『中国人留学生と「国家」・「愛国」・「近代」』(共著、東方書店、二〇一九年)、「摩登哥児としての女子留学生―崔万秋『新路』を読む―」(「野草」第97号、二〇一六年)、「賈宝玉、日本へ行く―南武野蛮『新石頭記』を中心に―」(「饕餮」第24号、二〇一六年)など。
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